こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

他の楽器や習い事でもそうだと思いますが、大人からバイオリンを始めた方がぶつかる壁が少なからずあることは事実です。

これは「自分が不器用だから」でも「センスがないから」でもなく、誰もが通る道なので心配はいりません。それだけバイオリンという楽器は繊細ですが、弾けた時の喜びや達成感はとても大きいと思います。

今回は、バイオリン初心者の方がつまずきやすいポイントとその解決法について考えていきたいと思います。

1. 楽器の構えが安定しない

理由の一つに「首や肩が疲れてしまう」ことが挙げられます。肩当ての高さや向きが合っていない可能性があります。

また、楽器を構えて顎だけで支える時に、楽器がズルっとずれてしまう場合も、肩当てが合っていません。私もかつて、小さい頃に肩当てが合っておらず、顎の力だけで楽器を支えてしまい、顎関節症になってしまったことがあります。

肩当ての向きや高さがフィットすることで、バイオリンを弾いていても疲れにくくなってきます。

♪解決法

・楽器を構えた時に楽器がずれてくる場合は、肩当ての高さや向きの微調整をしましょう。

・弾いていると姿勢が前かがみになりやすいので、姿勢が崩れないよういつも確認しましょう。

2. 弓がまっすぐ動かない

大人の方もお子さんでも、弾く時に最初は必ず弓が斜めになります。

どの角度だと真っ直ぐなのかを、何回も確認する必要があります。

♪解決法

・鏡を使って、開放弦をゆっくり弾きながら弓の角度を確認するのが効果的です。

・右肘の位置が上がりすぎてないか、下がりすぎてないかも確認しましょう。

3. 音程が安定しない

「音が外れる」のは、ギターのようにフレットがないので最初は当たり前です。

練習の時に、楽しいので曲ばかり弾きがちですが、音階や練習曲を弾いてから曲を弾くようにすると、徐々に音程が安定してきます。

また、指を押さえて覚えるのも大事ですが、耳で聞いて音程を覚えていくのも大事です。

私のお勧め練習は、曲の中で基礎練習を探すことです。曲は面白いことに音階や分散和音でできているパッセージが多いので、ぜひ探してその部分を取り出して練習してみてください。

♪解決法

・音階を弾く時に、ロングトーンで弾きながら耳でよく響きを聞いて、綺麗な音か確認しましょう。

・曲の中から基礎練習を見つけることで練習が楽しくなりますよ。

4. 思ったような音が出ない

音がちゃんと出なかったり、逆にギーという音がするのは最初は当たり前のことです。

どのくらいの圧力で弓を操作すればよいのか、たくさん弾いて覚えていきましょう。

♪解決法

・弓の重さを利用しましょう。押すのではなく、弓を弦に「預ける」感覚を意識すると潰れたような音はなくなります。

・弦を弾く瞬間に、右人差し指で弓を引っ掛けるようなイメージで弾くと、スムーズに弾けるようになります。

5. 練習が続かない

できないことに直面して落ち込むのは自然なことです。他のコラムでも言っていることですが、弾くことだけが練習ではありません。動画を見て研究する・知識を増やすなど多方面から知識が入ると、弾くことにプラスになると思います。

♪解決法

・「できたこと」を毎回必ず見つけてみましょう。

・弓がまっすぐになった、姿勢を意識できた、それだけですごく上達していますよ。

いかがでしたか？
大人の方がバイオリンを始めると、必ず最初に「構え」「弓」「音程」「音色」「気持ち」の壁にぶつかります。

でもこれは「才能の有無」ではなく「プロセス」です。大切なのは、壁にぶつかった時に「自分だけではない」と理解することです。

つまずきは失敗ではなく、上達のサインです。乗り越えれば、だんだんと音が変わってきますよ。

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。