こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

バイオリンを始めたばかりの方や生徒さんは、先生がどのくらいの値段の楽器を使っているか気になると思います。実際に私も「先生の楽器ってどのくらい？」とよく質問を受けたものです。

先入観として、もしかしたらプロの楽器は高級車が買えるくらいというイメージがあるかもしれません。世界トップクラスの演奏家は億単位の楽器を使っている方もいらっしゃいます。特に有名なストラディバリウスなどの名器は、国家や財団から貸与されていることも多いです。

しかし、プロ全てが高価な楽器を持っているとは限らず、例え安価でも「自分を表現できる楽器」を探し求めています。では「自分を表現できる楽器」とは？また、どういうところにこだわっていくのでしょうか？

今回は、私の楽器や弓や小物へのこだわりと、小物を変えたら楽器の音が変わるのかなどもご紹介していきます。

♪楽器（音）にこだわる理由

人によって好きな音、どういう響きが好きかなどは異なります。そして、同じメーカーの同じ楽器製作者の楽器であっても、音やフィット感などが同一のものは無く、全て性格が違います。

私がこだわっていることは「深みのある音色」です。バイオリンは高音がキラキラしているイメージをお持ちの方が多いかもしれません。私が大学生の頃は、高音を綺麗に出したいとこだわっていましたが、最近は年々と低音が心地よくなっているのもあり、楽器屋さんに調整に出す時は深みを追求したいということを伝えます。

何年も弾いていると、生活の一部となり自分も歳を積み重ねていくので、好みの音も変わってきます。こだわりもその都度変わってくるはずです。自分に合った音を今でも探し続けています。

♪弓１本でも音が変わる

私は高校生の頃に今の弓を購入しました。子供ながらに弓だけで音は変わらないと思っていましたが、ある弓で弾いた時に「何この柔らかい音！」と一目惚れしてしまいました。幸い、手で持った時のフィット感もはまり、即決しました。

楽器との相性もありますが、弓１本で音色に差が出てきます。手のフィット感と操作しやすさで選ぶことも大切ですが、音色が変わるので、長い年月をかけて出会えるといいのかなと思います。

♪肩当てや松脂にもこだわり

肩当てや松脂なんてみんな同じと思っていませんか？肩当てと松脂１つでも音が変わります！
楽器屋さんで試奏できるのでぜひ皆さん試してみてください。

①肩当て

特に音色が変わるのが実感できます。ただ、音色は良いのに肩当て自体がフィットしないという場合は、残念ながら違う肩当てにした方がいいかもしれません。音色を優先させたがために、肩を壊してしまう話も聞きます。

私はKUN→マッハワンを経て、今は「PIRASTRO KorfkerRest LUNA」という肩当てを使っています。慢性的に肩こりがひどくなってきたので、軽めのものを探していて見つけました。

肩当ては演奏姿勢に影響が出るため、体に合ったものを選択できるといいです。

②松脂

同じ弓でも、松脂が変わるだけで音の立ち上がりが変わります。私はアルシェの松脂を使っています。深い音でなめらかに弾くことができていると思います。

私のおすすめは、弓の毛替えをした後に松脂を変えることです。ある松脂を塗っている状態で新しい松脂にしてしまうと効果が薄いと思います。

♪大切なこと

生徒さん同士で楽器の値段を言い合うこともあるようですが、高いから良いという訳ではありません。要は自分が納得している音・楽器を構えたフィット感・弾きやすさ・安定感があるかどうかです。楽器を毎日触ってお手入れしてを繰り返すと、上達のスピードも楽器の音も変わってきますので、ぜひご自分の楽器に愛着を持って弾いていただきたいと思います。

いかがでしたか？
楽器へのこだわりは人それぞれです。今回ご紹介したことを全てこだわらないといけないということではありません。

「楽器の音をこうしてみたい」と思うのは音に真剣に向き合っている証拠です。よくご自分の楽器の音の変化に耳を傾けて、少しでもこうしたいなどと思ったら楽器屋さんで相談してみてはいかがでしょうか？いいアプローチがあるかもしれません。

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。