絶対音感あるある〜絶対音感があるといいこと・苦手なこと〜

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

絶対音感があると音程取れるしいいなあ、と羨ましく思っている方もいらっしゃると思います。もちろん、絶対音感があるとバイオリンを弾く上ではいいこともありますが、実は苦手なこともあります。今回は、絶対音感の持ち主にしか分からない、絶対音感があるといいことや苦手なことを、自分の経験談も含めてご紹介していきます。

※Ayaは特に絶対音感のトレーニングはしておらず、音楽教室に通って自然と絶対音感が身についたタイプです。

【絶対音感と相対音感の違い】
♪絶対音感
何らかの音を聴いた時にすぐにドレミ〜が分かる能力のことを言います。小さい頃からピアノやバイオリンを習っている方々、もしくは小さい頃から絶対音感のトレーニングをしてきた方々が持っている能力というイメージが強いでしょうか?鳴った音の音程がすぐに分かるので、いわゆる「耳コピ」は得意な方が多いです。

♪相対音感
1つの音と比較して音の高さを判断できる能力のことを言います。例えば「ソラシドレミファ♯ソ」「ドレミファソラシド」を聴いた時に、両方とも「ドレミファ…に聴こえた」という感覚が相対音感です。

【絶対音感あるある〜いいこと〜】
①チューニングが早い
チューニングは絶対音感があれば、チューナーがなくてもすぐに行うことができます。でも、音程感は人それぞれ微妙な差がありますので、複数人で演奏する時は、チューナーか基準になる音に合わせることが基本です。

②曲をお手本通りに再現できる
一回〜数回聴けば、曲をお手本通りに再現することができます。いわゆる耳コピです。

③1人での練習がしやすくなる
絶対音感がないと練習できない訳ではありませんし、絶対音感があれば必ず1人で練習できるようになる確約もありません。ただ、楽譜と違う音を弾いてしまった時にすぐに気づくことができる力がより強い分、1人での練習はしやすいと思います。

④聴いた音をすぐに譜面に書ける
これは絶対音感あるあるです。耳コピの延長上で楽譜を書くことが比較的早いです。

⑤バイオリンで弾いた間違った音程がすぐに分かる
間違った音程を出すとすぐに分かります。しかし、分かるがゆえに、正しい音程の所にずらすのが癖になってしまうこともあるので注意しないといけません。

【絶対音感あるある〜苦手なこと〜】
①移調楽器の演奏が苦手
移調楽器とは、クラリネットやトランペットなど、楽譜に記載されている音と実際に出した時の音が違う楽器のことを指します。絶対音感があると、書いてある音が「ド」なら楽器から出る音も「ド」でないと気持ち悪いとなるのです。

私はヴィオラも弾きますが、ヴィオラの楽譜は「ハ音記号」が主です(たまにト音記号も出てきます)。ト音記号とは読み方が違い、五線譜上でハ音記号のドレミの位置はト音記号のドレミの位置と異なるので、慣れるまで最初は苦労しました。今は、ヴィオラを持ったらハ音記号、バイオリンを持ったらト音記号にすぐに頭を切り替えられます。

②楽譜を読むより耳で聴いて覚える
私が典型的な例ですが、小さい頃から耳で聴いて曲を覚えるのが当たり前になっていて、気づいたらリズムが大の苦手でした。絶対音感がある方皆がそうではないと思いますが、曲を覚える時に楽譜よりも耳に頼ってしまう方は多いかなと思います。

③原曲キー以外で歌うのが苦手
カラオケで原曲キー以外でのキーでイントロが流れた時には焦ったことがあります。そういう時はすぐに原曲キーにキーを直して歌っていました。

④日常生活の音がドレミで聴こえる
個人差はありますが、日常生活で聴こえる音が無意識に頭の中で音階に変換されるということです。
例えば車のクラクションや救急車のサイレン音、細かく聴こえる方は鳥の鳴き声・風などの自然な音・ボールペンのノックの音までもドレミで聴こえ、ストレスになることもあります。

⑤ちょっとした音程の違いが気になる
例えば人の声のトーンが、ある日いつもの声のトーンよりも低かったら「何か悪いこと言ったかな」とか少し敏感になってしまうことがありました。新しい電池を入れた機械と電池がなくなりそうな機械の音程の違いも気になります。ちょっとした変化が気になってしまうのです。

⑥薬の副作用に注意
薬によっては、副作用で「音が半音低く聴こえる」というものがあります。
生活音全てが半音に聴こえてしまうそうなので、絶対音感を持っている方は気をつけてください。

いかがでしたか?
「絶対音感を持っていて羨ましい」とよく言われてきましたが、メリットもたくさんありますが、実は苦労していることもたくさんあります。

私は今では絶対音感があって良かったとは思いますが、大学生の頃は全てがドレミで聴こえすぎてストレスになったことがよくありました。絶対音感と相対音感どちらがつくといいのかとよく聞かれますが、どちらもいいことがあるので一概にどっちとは言えません。

絶対音感があるといいことはよく聞くと思いますが、苦手なことはあまり聞いたことがないかもしれません。「へーこんな苦手なこともあるんだ」と思ってくださったら幸いです。

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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