バイオリンの弓の矯正器具や指板用のポジションシールを使うメリット・デメリット

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

最近ネットで、バイオリンの弓の矯正器具(器具の間に沿って弓を動かして正しい位置で弾くという器具)や、ギターのフレットのような指板用のポジションシールを見かけました。

弓の矯正器具や指板用のポジションシール(特定の音に丸いシールを貼ったり、マスキングテープを細い棒状にしてフレットのように貼ったりすることが多いです)は、もちろんメリットもありますが、実は使い続けるとデメリットもあります。指導者の先生によっても、使っていたり使っていなかったりと賛否両論あるテーマではあります。今回は、この2つを使用するメリットやデメリットをご紹介していきたいと思います。

♪弓の矯正器具

シリコン製のもので、表板に装着するだけなので楽器を傷つける心配はないと思います。どういう角度で弾いたらベストなのか矯正するにはいいアイテムだと思います。もし使うとしたら、開放弦や音階の練習が適しているのではないかと思います。

この器具は、曲を弾く時に使うのはあまりお勧めできません。というのは、やはり弓の方に気を取られてしまうので、楽譜や左手に集中できないことが多くなると思います。ブランクがある方で、弓の感覚がどうだったかなと不安な方は、感覚を思い出すために一時的に使うのはいいかもしれません。

私個人としては、器具を装着している際はしっかりした角度で弾けていても、いざ器具を取った時にその感覚を覚えていられるのかなという疑問があります(使ったことがないので、あくまでもイメージですが)。

ですので、鏡を見ながら自分のフォームを確認して「見ながら」角度を学んでいく方がいいかなと個人的には思います。

♪指板用のポジションシール

バイオリンにはギターのようにフレットがないので、始めたての方には必ずといっていいほど「目印のシールは貼っていいものですか?」と聞かれます。

バイオリンは最初から音を自分で作っていかないといけない楽器なので、シールを貼った方がハードルは低くなるかと思います。レッスンの初期の段階で導入している先生もいらっしゃると思います。

私も講師になりたての頃、人差し指と薬指の音だけシールを貼って教えていたことがあります。ところが、慣れてきた頃に「そろそろシールを剥がそう」ということでシールを剥がした途端、音が取れなくなってしまいました。

なぜそういうことが起きたかというと、左指を押さえる時、シールを当てにしてシールの所に指を置くという作業をしてしまい、耳で音を聞いていなかったからです。なので、この感覚で指を押さえると正しい位置に置けると指が認識してくれないんですね。ですので、それ以来レッスンではシールは一切貼っておらず、貼りたいという生徒さんがいても説得の上シールは貼っていません。

シールを貼ることが全て悪いと言っている訳ではありません。例えば、分数バイオリンにシールを貼るのは仕方ないことだと思いますし、私も幼少期の頃は先生が貼ってくださいました。でも楽器が大きくなるとシールは自然と貼らなくなりました。

バイオリンはしっかりと耳で聴くことを意識して弾いていると、だんだんと耳が肥えてきて、音程の合っている・いないが分かってくるようになります。

最初はシールがあった方が楽に音程が取れると思いますが、シールがない状態だと「音程が綺麗に取れるようになった」という感動がより大きくなると思いますので、まずは1つ1つの音をよーく耳で聴いていただきたいです。

いかがでしたか?
上記2つのアイテムは便利なものだと思います。
しかしながらデメリットもありますので、一概にいい悪いとは言い切れませんが、バイオリンは「目」と「耳」をよく使う楽器なので、指板の押さえ方や弓の角度、音程感をしっかりと感じ取っていただきたいなと思います。

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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