「NH&K TRIO」のデビューアルバム『Adagio』の意味は?速度標語ってどんな種類があるの?

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

葉加瀬校長の新ユニット「NH&K TRIO」のデビューアルバム『Adagio』。この「Adagio」は速度標語の名前なんです。今回は、速度標語とメトロノーム記号についてご紹介していきたいと思います。

♪楽譜の左上にあるメトロノーム記号や速度標語の意味

例えば、楽譜に「♩=60」や「Adagio」などと書かれているのをよく見かけると思います。この表記でその曲がゆったりした曲なのか速い曲なのかが分かるので、実は演奏する上でとっても大事な情報なのです。

「メトロノーム」はオランダのウィンケルが発明したと言われています。「メトロノーム記号」とはテンポを表す記号で、単位となる音符が1分間に何個入る速さなのか、という意味です。「単位となる音符=1分間に打つ数」で表します。

「♩=60」は、4分音符(♩)を1分間に60回打つ速さで演奏します。時計の秒針と同じ速さですね。基準となる音符は4分音符だけでなく、8分音符・2分音符などでも表すことがあります。

♪「Adagio」はどのくらいの速さ?

主な速度標語を、ゆっくりな順から速い順に並べてみると…

Largo(ラルゴ)…幅広く、とても緩やかに(♩=40-50)
Lento(レント)…遅く(♩=50-56)
Adagio(アダージョ)…ゆっくりと、緩やかに(♩=56-63)
Andante(アンダンテ)…歩くような速さで(♩=63-76)
Moderato(モデラート)…中くらいの速さで(♩=76-96)
Allegretto(アレグレット)…やや速く(♩=96-120)
Allegro(アレグロ)…速く(♩=120-152)
Vivace(ヴィヴァーチェ)…活発に(♩=152-176)
Presto(プレスト)…すごく速く(♩=176-192)

この中だと、「Adagio」はゆっくりな方から数えて3番目です。大体でもいいのでこの順番を頭の中に入れておくと、速度標語しか楽譜に表記がない場合に「このくらいの速さで演奏すればいい」とイメージできるのでおすすめです。

♪覚えておきたい速度の変化の音楽用語

曲の途中でテンポの変化がある時に使われる、覚えておきたい音楽用語です。似ている意味の用語がたくさんあるので、混乱しないように覚えていきましょう。

①遅くする

・ritardando(リタルダンド)…だんだん遅くする
・rallentando(ラレンタンド)…だんだん遅くする(意図的に)
・ritenuto(リテヌート)…急に遅くする
・allargando(アラルガンド)…だんだん遅く強くする
・meno mosso(メノ・モッソ)…今までより遅くする

②速くする

・accelerando(アッチェレランド)…だんだん速くする(次第に速く)
・stringendo(ストリンジェンド)…だんだん速くする(急かされて速くなる)
・piu mosso(ピウ・モッソ)…今までより速くする

③間違えやすい用語

・a tempo(ア・テンポ)…もとの速さで
・tempo Ⅰ(テンポ・プリモ)…曲の冒頭の速さで

→とっさに出てくると「どっちだっけ?」と混乱しやすい用語です。弦楽やオーケストラの曲でよく出てくるので覚えておくことをお勧めします。

④その他の速度に関する有名な用語

・in tempo(イン・テンポ)…正確なテンポで
・ad libitum(アド・リビトゥム)…自由に
・L’istesso Tempo(リステッソ・テンポ)…同じ速さで
・tempo rubato(テンポ・ルバート)…速さを自由に加減しながら

いかがでしたか?
速度標語を覚えておくとすぐに曲の速さやイメージができるのでおすすめです。
実際に楽譜で弾きながら理解するとすぐに覚えられるので、標語がないか意識しながら弾いてみてください。

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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