バイオリンケース内の整理とチェック

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

春らしく過ごしやすい季節になってきたかと思いきや暑い日が続いたりと、体調管理が大変な時期だと思います。

人と同じようにバイオリンも温度や湿度に敏感です。今回は、季節の変わり目にバイオリンケース内の何を整理したらいいか、何をチェックしたらいいかを考えていきたいと思います。バイオリンケース内を見直すきっかけになると嬉しいです。


♪ダンピットなどの保湿剤を出す
そろそろ湿気が多くなってくる頃なので、ダンピットなど保湿剤を入れている方はケース内から取り出しましょう。

逆に、乾燥する季節になってきたら今度は保湿剤が必要です。この入れ替え作業は意外と忘れやすいので要注意です。

♪ケース内の掃除
お勧めは、ケース内の楽器から小物まで全て取り出し、掃除機でケース内を掃除することです。埃やゴミも溜まるので綺麗にすると気持ちがいいですよね。

特に、湿気が多い時期はケース内が湿気を吸っているので、掃除機で吸ったり冷房や除湿機をつけた部屋で乾かしたりするのもいいと言われています(楽器は乾かさないようにしてください)。

♪ケース内に入れる湿度調節剤または乾燥剤などの使用期限
モイスレガート(約2年)や乾燥剤(約3〜4ヶ月)には使用期限があります。乾燥剤は乾燥させたいときだけ入れればいいのでちゃんと取り出せば問題ありませんが、モイスレガートは約2年と期限が長いので、いつ入れたか忘れてしまう方が多いです(私もそのうちの1人です)。忘れてしまいがちなことですが、使用期限を書くことをお勧めします。

♪クロスの洗濯
楽器や弦を拭くクロスが、松脂の粉で気づいたらベトベトになっていませんか?これも盲点だと思うので、どのくらい使ったら洗濯するか決めておいたり、気がついた時に洗濯するといいと思います。洗濯してもクロスの効果は変わりません。

クロスは、楽器本体を拭く用と松脂を拭く用の2枚持つことをお勧めします。2枚を使い分けることで、楽器に松脂のベタベタがつかずに安心して拭けます。

♪予備弦の確認
予備弦が入っているかどうかと、4本揃っているかを確認しましょう。弦が不足している時に限って運悪く弦が切れてしまうこともあります。レッスン中や練習中に切れてしまい、予備弦がなかったということがないようにしたいですね。

♪弦の張り替え時期と張り替える時の注意
「調弦の時になかなか合わない・音がこもっている・弦が錆びてきた」という症状が出てきたら弦を替えることをオススメします。弦はいつくらいに替えるか自分の中でも決めておくといいです。

弦を替える時は、4本いっぺんに弦を緩めないようにしてください。同時に緩めると楽器本体の中に立っている魂柱が倒れてしまう恐れがありますので、注意しましょう。

♪バイオリンの本体を軽く叩いてセルフチェック
季節の変わり目には楽器がダメージを受け、楽器本体の接着面が剥がれてしまうことが稀にあります。それをチェックするには、指の第2関節部分を使って楽器本体の表板・裏板共に軽くノックしてみてください。その際に鈍い音がした場合は剥がれている可能性がありますので、楽器店や工房で見てもらいましょう。

♪駒の位置
G.D.A線の調弦時はペグを回すことによって駒はペグ方向へ、E線の調弦時はアジャスターで回すことが殆どなので、駒はアジャスター側に引っ張られて傾いてしまいます。それをそのままにしておくと、駒が倒れたり歪んでしまうことがあります。

駒の位置が定位置にあるか(駒はf字孔の内側の切れ込み部分に立てます)、まっすぐ立っているかを、楽器を弾く度にチェックすることをオススメします。

真横から見て、テールピース側の駒の面が表板に対して垂直(90度)に立っている状態が正しい駒の立ち方です。直すのがまだ自信のない方は、遠慮なく楽器店や工房、習っている先生にお願いするといいと思います。

♪弓のヘッドの部分
弓先部分のことです。ヘッド部分に貼ってあるチップはプラスチック素材が多く、ちょっとした振動で割れてしまうことがあります。自分では直すことができませんので、修理に持っていきましょう。


いかがでしたか?
年に数回、季節を決めて楽器ケースの大掃除をすることで、予備弦があるか等の確認や、ちょっとした楽器のチェックができます。ぜひケース内の隅々までチェックしてみてくださいね。

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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