楽譜を電子化するメリットとデメリット

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

毎年のように自宅に増え続ける、紙の楽譜の数々。それをファイルに整理して探して…の作業に限界を感じていました。そんな時に友人から電子化の方法を教えてもらい、1年ほど前から楽譜の電子化を始めました。

今回は電子化をするメリットとデメリット、そして楽譜を管理するお勧めのアプリをご紹介したいと思います。

【楽譜を電子化するメリット】
①iPadなどのタブレットがあれば何万曲もの楽譜のデータが入るため、楽譜の管理がしやすい
②見たい時に見たい楽譜がすぐに探せる
③スワイプやフットペダルで譜めくりができる
④紙の楽譜の代わりにタブレット1台だけ持参すればいいので荷物が減る
⑤スマートフォンでも見られるため、通勤・通学中に便利
⑥屋外で演奏する時、風で飛ぶ心配がないので安心して演奏に集中できる
⑦指やApple Pencilで楽譜の書き込みをするため、鉛筆などをうっかり落とす心配がない
⑧製本や印刷の手間が省ける
⑨複数人で共有する時に、すぐに共有できて演奏できる

【楽譜を電子化するデメリット】
①タブレット購入の必要がある
②演奏時間が長いコンサートだと、充電が十分でないと電池が切れてしまう可能性がある
③長時間みていると目に負担がかかる
④スポットライトが当たる場所で見ると反射して見えづらい
⑤見開きでみる場合は横置きにできるが、譜面が小さくなってしまう
⑥タブレットを縦に置くと1ページしか表示できない
⑦紙の楽譜の最大サイズであるB4サイズよりタブレットは小さめなので、その楽譜サイズに慣れているとタブレットが見にくい場合がある

【お勧めアプリ①】
「Piascore(ピアスコア)-スマートデジタル楽譜リーダー」という楽譜を管理するアプリ(無料・一部課金あり)です。

使って1年。保存している楽譜の数は数百曲にも上り、探しやすいのでとても便利だなと実感しています。特にお勧めするポイントをご紹介していきます。

①手書きで書き込みができる
紙の楽譜同様、練習中に気づいたことや注意点を書き込むことができます。
指で書くこともできますし、Apple Pencilがあると大変便利なようです。私のiPadはApple Pencil対応ではないので、指で書き込みをしていますが、消す作業も楽なので大変便利です。

②譜めくりはスワイプかフットペダル
スマートフォンやタブレットでおなじみのスワイプでページをめくることができます。私はスワイプで譜めくりをしています。

フットペダルは、Bluetoothで繋ぐフットペダルを使って足で操作します。この場合は画面には一切触れずに操作するため、演奏中に手を止めることもなくめくれるのでとっても便利です。ただ、慣れていないと演奏中にフットペダルの位置が分からなくなったり2回押してしまったりとトラブルもあるようなので、私はまだ導入するタイミングを伺っています。

③メトロノームが使える
このアプリ内にメトロノーム機能が内蔵されているので、別にメトロノームのアプリをダウンロードしたり持参する必要がなくなるので便利です。

④IMSLP(ペトルッチ楽譜ライブラリー)と連動している
IMSLPという著作権が切れた作曲家の楽譜が集められているサイトと、ピアスコアのアプリが連動しており、すぐにダウンロードして見ることができます。

⑤セットリストが作れる
なんといってもこれは便利な機能で、私はフルに活用しています。本番毎にセットリストが作れるので、楽譜を探す手間を省けます。

【お勧めアプリ②】
「Dropbox」は仕事などでお使いになっている方も多いのではないでしょうか。

カルテットなど複数人で楽譜を共有することがすぐにできるので非常に便利なアプリです。
また、紙の楽譜をすぐにPDF化できるのが、お勧めするポイントになります。このアプリでPDF化できるのを知らなかった頃は、パソコンを立ち上げプリンタでスキャンしてPDF化していたので、結構な時間がかかっていました。このアプリは、写真を撮る要領でスキャンしていくのですぐにPDF化できます。

今はiPhoneやiPadの画質がいいので、紙の楽譜をスキャンしてPDF化してDropboxに保存することができます。
Dropboxに保存されている楽譜は、お勧めアプリ①でご紹介したピアスコアにダウンロードすることができます。

【電子化して1年…使い勝手は?】
・複数人でその場で楽譜を共有できることが最大の強み
電子化する前は紙の楽譜を使っていたため、複数人で演奏する時にコピーして製本しての作業がありましたが、電子化してからコピーなどの手間が省けてすぐに共有できるようになったのが、私にとってすごく便利で嬉しい機能です。

・アンサンブルレッスンでも活用
演奏の他に、アンサンブルレッスンの時にもタブレットで楽譜を見始めました。
タブレットを使う以前は、演奏活動の時と同様、紙の楽譜を製本してレッスンをしていました。アンサンブルレッスン時はスコアで見ているため、枚数が多く製本作業にかなりの時間がかかっていましたが、電子化したことでそういった細かい作業がなくなりとても便利だと感じています。
また、指示を出したことを書いたり消したりする作業が、レッスン中でも難なくこなせます。紙の楽譜に書いていた時は、書くのはいいのですが、消す時に消しゴムで消してまた書いてという作業に少し時間を取られていましたが、電子化してからはそのストレスはありません。

・iPhoneで見たい時に見られる
私はiPadとは別に、iPhoneにもピアスコアのアプリをダウンロードしています。iPhoneで見て弾くには小さいため、iPhoneでは見る専門で、ちょっとした時に確認したい時や、移動中に音楽を聴きながらアプリで楽譜を見ています。通勤・通学の時に音楽を聴きながらアプリで楽譜を見るのも効率がいいですよね。

・セットリストが作れる
例えば、本番や指導曲ごとにセットリストが作れます。複数曲演奏や指導することがあるときは、その都度曲を探すのは時間がかかりますので、セットリストを作ることでそれが解決できます。この機能は一目でその日の曲一覧が確認できるのでとても便利です。

いかがでしたか?
紙の楽譜の整理をしたい方や、製本や持ち運びの手間を省きたい方にはぜひ電子化をお勧めします。
ただ、電子化することでメリットもあればデメリットもありますので、演奏環境に応じて、タブレットを見たり紙の楽譜を見て使い分けをするのもお勧めです。

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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