乾燥している今の時期に注意!舞台での演奏で気をつけることとは?

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

寒さ本番といった季節になりました。空気の乾燥が楽器にも影響することは皆さんご存知だと思いますが、乾燥によって具体的にどのようなことが起きるか・その対策方法・本番の舞台の演奏時に気をつけることなどをご紹介していきたいと思います。

♪楽器や弓が乾燥するとどうなる?
適度な乾燥の場合は楽器が良く鳴って良い音がしますが、乾燥の「しすぎ」は音が細くなりパワーが出なくなってしまいます。

弓の場合、弓の毛は人の髪の毛と同じで、乾燥すると縮んで湿気が多いと伸びます。弓を張ったままケースにしまってしまうと毛の収縮に弓自体が耐えられなくなって弓がバーンと折れてしまうこともありますので、弓をしまう時は必ず、緩めたかどうかの確認が必要です。

演奏している時も乾燥していると、本来張った状態よりももっと張ってきてしまいますので、演奏中も張りすぎていないかをこまめにチェックすることが必要です。

♪有効な乾燥対策
・ダンピット
楽器に直接入れる「ダンピット」は水分を含ませて水気を拭いてからf字孔に入れるので、より乾燥から保護してくれます。乾燥時期に楽器が鳴りにくいと感じている方は一度お試しいただくと音が変わってくるかもしれません。木は水が少しでもかかるとカビてしまいますので、ダンピットを入れる際には水が垂れないよう水気を拭いてから入れるようにしてください。

・モイスレガート
夏場には除湿剤として、冬場には加湿剤として年間通して使える優れものです。除湿剤と加湿剤の入れ替えが面倒という方にピッタリのアイテムです。乾燥時期にダンピットと併用するとより効果的です。

・加湿器を使う
今の時期は暖房を使用しながら楽器を弾くと思います。
暖房も空気を乾燥させますので、その場合は加湿器を使うと良いでしょう。
私はカルテットの本番の際、会場が乾燥しているのを考慮し、小さな加湿器を奏者と奏者の間に置いて弾いたこともあります。

♪ホールなどの舞台で弾く時に気をつけること
オーケストラの本番で大きなホールで弾く際、通常の乾燥に加えて、舞台のスポットライトで更に乾燥します。このスポットライトが意外と楽器にダメージをもたらすことがあります。
乾燥でペグが緩みやすくなりチューニングが下がってくることもありますので、本番前にペグを少し硬めに巻いておくといいかもしれません。

♪オーケストラでの演奏中に弦が切れたらどうするの?
私はまだ本番中に弦が切れたというハプニングに遭遇したことはありませんが、本番中に自身の弦が緩んでしまったことはあります。その時は緩んだ弦は使えないので違う弦で弾いて乗り切りました。幸いにも休みの部分でチューニングし直せたのでその後は大丈夫でした。

もし演奏中に弦が切れてしまったら…?楽団によって対応が違うようですが、一般的な対処方法をご紹介します。

コンサートマスターの弦が切れてしまった場合、順番に後ろの人の楽器と交換していき、一番後ろの人がステージから出て弦を張り替える、または舞台裏に用意してある楽器を持ってステージへ戻ることが多いようです。

万が一に備えて、舞台裏に予備楽器を用意しているという楽団は多いです。
ですので、皆さんも予備弦は1セットは必ずケースに常備しておくと何かあった時に安心です。

いかがでしたか?
乾燥のしすぎは楽器にダメージを与えてしまいます。その時の状況に応じてしっかりと対策をできたらいいですよね♪

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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